★2001/06/29(金)★
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前回、お話した通り、今日は、「正確な情報を、誰よりも早く収集すること」で
大儲けをした歴史上のエピソードをお伝えします。

金融機関に勤めている人間ならば、誰でも知っているロスチャイルド家のエピ
ソードです。

みなさん、ロスチャイルド家ってご存知ですか?

ユダヤ人であるロスチャイルド家は、19世紀に飛躍を遂げ、ヨーロッパ金融界に
君臨した財閥です。もちろん、現在でもロスチャイルドグループとして残ってお
り、ヨーロッパで一番古い金融機関と呼ばれています。

彼らが大飛躍を遂げたのが、全ヨーロッパを震撼させたナポレオン戦争でした。
今日はそのエピソードをお伝えしましょう。


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ナポレオンについては、もう、改めて紹介することもないですよね。
ナポレオンこと、ナポレオン・ボナパルトは全ヨーロッパを敵にまわし、連戦連
勝を繰り返しました。

しかし、その後、モスクワ遠征の失敗から歯車が狂い始め、1814年にはパリが陥
落。ナポレオンは皇帝を退位し、エルバ島に島流しされました。
これは、日本にシーボルトがやってくる10年ほど前の話です。

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余談ですが、伝説ではエルバ島に流された彼は、こう語ったと言われています。
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 『Able was I ere I saw Elba』 
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  ⇒エルバ島に来るまで、余に不可能は無かった。(ノビタ意訳)
   注)ere は before の古語

もちろん、彼はフランス人ですし、敵国語である英語で語ったとは思えません
が、この文章自体は非常に良く出来ています。


「この文章のどこが良く出来てるの?」 (・・?


そういう方は、この文章を後ろから読んで見てください。


どうですか?


そう、この文章は、前から読んでも、後ろから読んでも同じなんです。
こういう文章を『回文』と呼び、日本では「シンブンシ」とか「タケヤブヤケ
タ」が有名ですよね。しかし、英語でも『回文』があるのです。まぁ、英語の回
文の話は、また後日に改めましょう。

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さて、エルバ島に島流しされたナポレオンですが、彼はすぐさま脱出し、軍勢
を整え、ヨーロッパ連合軍に敗者復活戦を挑みます。

それが、1815年に行われた『ワーテルローの戦い』です。
前置きが長くなりましたが、ロスチャイルド家が飛躍したのは、この『ワーテル
ローの戦い』がきっかけなのです。


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ワーテルローの戦いは、ナポレオンが率いるフランス軍と、イギリス・オランダ
プロイセンを中心としたヨーロッパ連合軍との戦いでした。

当時、ロスチャイルド家のネイサンはイギリスでロスチャイルド銀行を営んでい
ました。ネイサンはロンドンの取引所で、ワーテルローの戦いの勝敗を、固唾を
飲んで見守りました。

何故かというと、ナポレオン軍が勝つか負けるかで、イギリスの国債の価格が大
幅に変動することが予想されたからです。


どういうことか、詳しく説明しましょう。

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 ☆ナポレオンの勝利⇒イギリス軍の敗北⇒イギリス国債の暴落
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 ★ナポレオンの敗北⇒イギリス軍の勝利⇒イギリス国債の価格UP!!!
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当時、ロンドン取引所では「ナポレオンが勝つ」と言った見方が大半でした。
何故なら、ワーテルローの戦いの前哨戦で、ナポレオンが勝利を収めていたから
です。


しかし、実際の勝敗は誰も分かりません。
つまり、正確な情報を、誰よりも早く収集した人間が大儲けをすることができる
のです。ロンドン中の投資家は、その情報が来るのを、今か今かと待ちわびてい
たのです。


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そのような状況の中で、各地に情報網を持っていたネイサンに「ナポレオン敗北」
の知らせが飛び込んできました。これはイギリス政府が知るより、1日早い情報
だったのです。

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もし、みなさんがネイサンならどうしますか?
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先ほど説明した通り、「ナポレオンの敗北」は「イギリス軍の勝利」であり、イ
ギリス国債の価格は大幅アップが見込めます。

ネイサンは誰よりも早く、「ナポレオン敗北」の情報を手に入れたわけですか
ら、今のうちにイギリス国債を買えば、儲けることができますよね。
しかし、ネイサンは、そうしなかったのです。

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ネイサンは取引所に行き、沈痛な顔をし、じっと黙っていました。
当時、既にネイサンは金融界では有名人でしたので、誰もが「ネイサンは何か
知っているのではないか?」と勘ぐります。

そして、ネイサンは動きました。「イギリス国債の売り!」

取引所はどよめきました。
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「ネイサンは何か知っている!」
「ナポレオンが勝ったのだ!!」
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その瞬間、ロンドン取引所では、イギリス国債の売り注文が殺到しました。
さらにネイサンは莫大な売り注文を入れます。

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「間違いない!」
「イギリスは負けた!」
「イギリス国債は大暴落するぞ!」
「今のうちに国債を売った者が勝ちだ!!」
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投資家はパニックに陥り、イギリス国債は二束三文で叩き売られたのです。
その時です。ネイサンはただちに指示しました。

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「今、売りに出ている国債を全部買え!」
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そう、彼は二束三文で売られている国債を買い占めたのでした。
その後、取引所にも「ナポレオン敗北」のニュースが飛び込み、イギリス国債の
価格は跳ね上がったのです。

それに伴い、ネイサンは莫大な富を得ました。


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以上、いかがだったでしょうか?

「正確な情報を、誰よりも早く収集すること」、これは非常に重要です。
しかし、「情報を入手した後、どんなアクションを取れるか」という方が、
もっと重要であるということを、このエピソードは語っています。

私がネイサンならば、間違いなく、「ナポレオン敗北」の情報を得た瞬間に、
「イギリス国債を買い」という指示を出していたでしょうね。そこが偉人と凡人
との違いなのでしょうか。

みなさんなら、どういうアクション取りますか?
そういったことを考えて、後々に活かすのが、歴史の醍醐味ですね。